マチネタ
- 102号:マチネタvol.44
- 発行日:2022年10月31日
今回は坂東市の茨城県自然博物館野外施設内にある反町閘門を紹介します。
反町閘門
利根川からの逆水防止を目的に、神田山地先の菅生沼に作られたのが反町閘門です。
坂東市、常総市、古河市、八千代町の三市一町にまたがる飯沼三千町歩と称される広大な水田地帯は、その昔は「飯沼」と呼ばれた茫洋たる沼でした。江戸時代の享保年間に新田開発が進み、飯沼は干拓、開発されて一大穀倉地帯に生まれ変わりましたが、構造的な排水不良や利根川の河床上昇による逆水の流入により、大雨時の水害が絶えずに荒廃が進んでいきました。明治期に入って、飯沼沿岸の人々は飯沼耕地の荒廃を深く憂い、利根川からの逆水防止を茨城県に請願しました。これにより、明治31年に飯沼反町水除堤水害予防組合が設立され、菅生沼に反町大堤防と反町閘門が設けられました。

明治33年に完成した閘門は赤レンガ造りで、水圧による自動開閉の鉄扉を3つ備え、扉の高さは約4.5メートル、中央部は幅約5.5メートル、両側は幅約4.5メートルで、水運を考慮した造りになっており、当時の最新技術を駆使して作られました。その後も茨城県により新たな水門や排水機場の整備が進められ、役割を終えた反町閘門は、平成3年に取り壊されてしまいました。
現在の反町閘門は、茨城県自然博物館の付属施設として復元されたもので、往時を偲ぶことができます。

反町閘門(そりまちこうもん)
住所:茨城県坂東市大崎700 茨城県自然博物館野外施設内