マチネタ

  • 101号:マチネタvol.43
  • 発行日:2022年7月31日

今回は古河市の駒塚古墳を紹介します。

駒塚古墳

駒塚古墳は古河市中田駒塚にある、周囲を畑に囲まれた円墳です。利根川や渡良瀬川の流域には多くの古墳が存在しましたが、河川改修工事によってその多くが破壊されてしまいました。改修工事を免れた古墳も、耕地整理によって墳丘が削られてしまい、原型をとどめている古墳は残念ながら古河市内には一つもありません。


駒塚古墳も風雨や耕作によって著しく変形し、頂上には馬頭観音の碑が建てられるなど、原型を留めていません。残丘部は長径約16m、短径約11m、高さが約3.2mとなっています。昭和59年に墳丘周辺部の発掘調査が行われ、円筒埴輪や形象埴輪、土師器、須恵器などの破片が多数出土したほか、墳丘部の裾をめぐる溝とその外側に外景40mほどの溝が確認されました。このことから、駒塚古墳はかつては直径40mにもおよぶ円墳で、古墳時代後期、6世紀以降の築造と考えられています。市内には駒塚古墳と八幡塚古墳の二基が市の文化財として指定されていますが、出土遺物が確認された駒塚古墳に対し、八幡塚古墳では遺物は発見されませんでした。
駒塚古墳は当時の姿を留めてはいませんが、その存在感は残された遺構からも十分に感じ取る事ができます。



駒塚古墳(こまづかこふん)
住所:茨城県古河市中田


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