マチネタ

  • 98号:マチネタvol.40
  • 発行日:2021年10月31日

今回は境町のモンテネグロ会館を紹介します。

モンテネグロ会館

モンテネグロ会館の歴史は幕末まで遡ります。ペリー来航の際に、境町出身の関宿藩士がアルゼンチン船員と交流を持ったことがきっかけで、船員の孫となるアルトゥーロ・モンテネグロ臨時代理公使の援助によって昭和12年(1937)に集会所が建てられました。木造瓦ぶき平屋の集会所は、地区の青年研修所として使われたり、会合や食事会、子供の遊び場として活用されてきましたが、建築から80年余りが経過し、建物の老朽化が進んでいました。
日亜外交樹立120周年を迎えた平成30年に、当時の駐日アルゼンチン共和国特命全権大使アラン・ベロー氏が初めて会館を訪れました。長い歴史と友情に感動した大使からの「両国友好の証である会館を遺して欲しい」との言葉を受け、境町は地権者から土地を譲り受け、国の地方創生拠点整備交付金を活用して改築する事を決めました。

新しく生まれ変わったモンテネグロ会館

以前の建物の素材が再利用されている

令和2年9月16日に新しく完成したモンテネグロ会館は、世界的建築家である隈研吾氏の設計によるもので、以前の建物で使われていた柱やはり、瓦を再利用し、友好の歴史を感じさせる造りになっています。ガラス張りの開放的な空間が特徴の施設内には、アルゼンチンとの交流の歴史を展示するギャラリーやカフェが設けられ、地元「さしま茶」を堪能できます。人との「つながり」が生んだ歴史の空間に、一度訪れてみてはどうでしょうか?

再利用された瓦

会館入口

モンテネグロ会館(もんてねぐろかいかん)
住所:茨城県猿島郡境町上小橋446‒4


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