マチネタ

  • 96号:マチネタvol.38
  • 発行日:2021年4月30日

今回は利根川のハクレンを紹介します。

利根川のハクレン

利根川の流れる五霞町、古河市の流域は、全国で唯一のハクレンの自然産卵場所となっています。産卵期には数十匹のハクレンが白波を立てて一斉に飛び跳ねる光景を見る事が出来ます。
ハクレンは中国原産の淡水魚で、古くから食用として養殖されてきた中国四大家魚のひとつです。1mを超える大型魚で成長が速いため、日本には明治以降にタンパク源の確保を目的に中国から移植が行われました。


ハクレンは主に茨城県の霞ケ浦や北浦に生息し、毎年5月から7月にかけて利根川を100㎞以上も遡り、産卵水域の五霞町、古河市付近まで上がってきます。ハクレンの受精卵は浮遊しながら川を下り、約2日後に霞ヶ浦や北浦付近で孵化するため、仔魚は止水域に入り込むことができます。河川の流域面積が狭い日本では、孵化前に海に放出されてしまったり、不利な水域での孵出などといった理由から繁殖が難しいと考えられ、国内では唯一、利根川が自然繁殖の確認ができる河川となっています。ハクレンがジャンプする理由は謎に包まれており、詳しい事はわかっていませが、産卵前にジャンプする事が多いようです。前々日が雨天で水量が増し、卵がカモフラージュされる水の濁りがある時に産卵する傾向があるので、条件が揃った時に訪れれば迫力あるジャンプを見れるかもしれません。


利根川のハクレン(とねがわのはくれん)
住所:利根川(五霞町、古河市)


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