マチネタ

  • 95号:マチネタvol.37
  • 発行日:2021年1月31日

今回は渡良瀬遊水地のヨシ焼きを紹介します。

渡良瀬遊水地のヨシ焼き

渡良瀬遊水地は、栃木県南端に位置し、栃木、群馬、埼玉、茨城の4県の県境にまたがる日本最大の遊水地です。遊水地内にあるハート型の谷中湖は、首都圏の水がめである利根川水系8ダムの一つに数えられ、渇水時に東京地方に水を供給する役割を持っています。
遊水地内の自然環境は全国でも最大規模を誇るヨシ原が特徴で、多数の動植物が生息しており、絶滅危惧種も多く発見されています。この豊かな自然環境が認められ、平成24年7月にラムサール条約湿地に登録されました。



毎年3月の第3土曜日には、ヨシに寄生する害虫の駆除並びに野火による周辺家屋への類焼防止、また、貴重な湿地環境の保全等を目的としてヨシ焼きが行われます。このヨシ焼によって焼かれる面積は渡良瀬遊水地の概ね半分の千五百ヘクタールで、これは阿蘇の野焼きに次ぐ規模となっています。
風の力によって小さな火種が合わさって、たちまち巨大な炎となって燃え盛り、黒煙と灰が空を覆います。火柱は高いときには30m程の高さに及ぶといわれ、そのスケールに圧倒されます。
昭和30年頃から始まったヨシ焼は、この地域の春の風物詩となっており、毎年多くの見学客が詰め掛けます。




渡良瀬遊水地(わたらせゆうすいち)
住所:茨城県古河市・栃木県野木町、栃木市・群馬県板倉町・埼玉県加須市


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