マチネタ

  • 94号:マチネタvol.36
  • 発行日:2020年10月31日

今回は渡良瀬遊水地のコウノトリを紹介します。

渡良瀬遊水地のコウノトリ

茨城県、埼玉県、栃木県、群馬県の4県にまたがる日本最大の渡良瀬遊水地は、多数の動植物が生息しており、その豊かな自然環境が認められ、ラムサール条約湿地に登録されています。その遊水地で今、大きな話題となっているのが、「コウノトリのひな誕生」です。
遊水地の一部を持つ栃木県小山市では、渡良瀬遊水地がラムサール条約に登録された12年以降、コウノトリ・トキの野生復帰を目的に、遊水地内を含む市内5カ所に人工巣塔を設置しました。また、周辺の水田では小魚などの餌を確保できるよう、無農薬、無化学肥料のコメ作りを推奨するなど、様々な取り組みを行ってきました。その結果、18年2月に千葉県野田市で放鳥された雄の「ひかる」に続き、20年3月には徳島県鳴門市生まれの雌「歌」がそれぞれ渡良瀬遊水地に定住しました。4月に入るとこの二羽がペアとなり、渡良瀬遊水地第二調節池の人口巣塔で産卵をし、6月には二羽のひなが確認されました。二羽は雄雌の一羽ずつで、渡良瀬遊水地にちなんで、雄は「わたる」、雌は「ゆう」と名付けられました。

遊水地内に設置された人工巣塔

人工巣塔で巣作りをするコウノトリ

日本では昭和46年に野生絶滅が確認され、以降は人工繁殖させた個体を放鳥し、野生復帰に取り組んでいます。コウノトリの野生復帰は、持続可能な共生社会の実現に向けて、明るいニュースとなっています。

渡良瀬遊水地コウノトリ交流館

渡良瀬遊水地のコウノトリ(わたらせゆうすいちのこうのとり)
住所:栃木県小山市大字下生井


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