マチネタ

  • 90号:マチネタvol.32
  • 発行日:2019年10月31日

今回はネーブルパーク内の旧茂田家住宅を紹介します。

旧茂田家住宅

ネーブルパーク内の西側にある旧茂田家住宅は、江戸時代中期の宝暦10年(1760)に建てられた古民家です。茨城県内の民家は、県北や太平洋沿岸沿いの地域にみられる曲屋型と、水戸から内陸にかけての分棟型、県南、県西地域を中心にほぼ全県で一般的な直屋型の三形式に代別されます。旧茂田家は、猿島地方で多く見られた直屋型の代表的な民家です。



整形四間取といわれる田の字形の間取りで、床上部と内馬屋を持つ土間部からなっています。座敷奥の張出しには仏壇が配置され、内馬屋は全面に三尺の余地が設けられるなどの特徴があげられます。構造形式は桁行(間口)九間半、梁間(奥行)四間半で、平入りで寄棟造りの茅葺屋根となっています。正面軒先には小屋組みの梁を水平に伸ばして腕木とする「船枻造り」がみられます。この「船枻造り」は、江戸時代には贅沢品として禁止されていた事から、茂田家の格式の高さをうかがえます。



もとは東牛谷に所在していましたが、ネーブルパークに解体移築されました。復元に際しては創建当初の姿を推定し、一部に新部材が用いられています。市指定有形文化財になっている住宅の屋内には古い農機具が多数展示され、当時の生活を感じることができます。

旧茂田家住宅(きゅうしげたけじゅうたく)
住所:住所:茨城県古河市駒羽根620


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