マチネタ

  • 89号:マチネタvol.31
  • 発行日:2019年7月31日

今回は茨城県坂東市の芽吹大橋を紹介します。

芽吹大橋

芽吹大橋は昭和33年に開通した、坂東市と野田市を結ぶ利根川に架けられたトラス橋です。
利根川は江戸時代から水運が盛んに行われ、輸送の大動脈として機能しており、この地域には欠かせないものでした。明治時代になると、鉄道輸送の波が日本全国を覆うようになり、岩井地方にも鉄道を走らせる計画が3つほどありましたが、敷設願は全て却下され、時代の流れに取り残されてしまいました。大正時代以降に自動車が普及し始めると、道路が重要な役割を果たすようになりますが、利根川を渡る手段がないこの地域はさらに遅れをとることなりました。



かつて恩恵を受けた利根川に阻まれ、古河~栗橋を結ぶ利根川橋と、取手~我孫子を結ぶ大利根橋の中間に位置する岩井地方は陸の孤島と言われるようになり、住民による架橋活動が昭和初期に始まりました。



戦後を経て、長年続けられてきた住民の熱心な架橋活動がようやく実を結び、昭和30年に起工式が行われ、昭和33年、遂に念願の橋が完成しました。橋の名称は公募により行われ、野田市側の地名を冠した「目吹橋」という名称が当選しましたが、茨城県側の要望もあって、同じく応募の中にあった「岩井が大きく芽を吹き発展するように」という意味が込められた「芽吹大橋」が橋名となり、実際に岩井地方に大きな経済的発展をもたらしました。

旧茂田家住宅(きゅうしげたけじゅうたく)
住所:住所:茨城県古河市駒羽根620


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