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初期研修医 修了(令和4年度)
筑波大学卒業 / 愛知県出身
オンとオフの切り替えがしっかりできる。
それが、川瀬が初期研修の場として茨城西南医療センター病院を選んだ理由だった。
「人手が十分ではないから、研修医も一人前のプロとしてカウントされます。一方で土日はしっかり休めるなど、病院全体で“休むときは休む”方針が徹底されている。医療現場の働き方改革はなかなか進んでいないといわれますが、ここはかなり先進的だと思いますよ」
大学時代には箱根駅伝に出場した経験をもつ川瀬。白衣をランニングウェアに着替えて存分に走る時間が取れることは、とてもハッピーなことなのだ。
今でも思い出すのは入職してわずか2ヵ月、3回目の当直のことだ。
心肺停止の幼児が救急車で運ばれてきて、先輩医師とともに川瀬が対応することになった。
「残念ながらその子を救うことができませんでした。これが医療の現場であり、どんなに厳しいことも冷静に受け止めなければならないと学びました」
一歩を踏み出したばかりの新米医師にとって重すぎる現実。冷静に受け止めるのは簡単ではなかったが、落ち着いてご家族へのサポートにあたる先輩の姿を見ながら川瀬は、この経験は絶対に無駄にしてはならないと心に刻んだ。
そんな重荷も、オフに走ることで癒やされてくる。落ち着いて自分を振り返る時間が持てる。
これも、オンとオフの切り替えができることの意味だ。
川瀬が医療の道に進みたいと考えるようになったのは中学生の頃。怪我をしたアスリートを現場で支えるスポーツドクターに憧れたことがきっかけだった。
自身も高校時代には陸上競技の選手として怪我をし、医師に助けられた。
初期研修では各科をローテーションするが、そうした背景から川瀬が一番楽しみにしていたのが整形外科だった。
「昨年1ヵ月間、整形外科で学びました。しかも6例も執刀させてもらったんです。自分が携わった患者さまが元気になって、喜んでくれるのは最大のやりがいです。整形外科医として患者さまに寄り添っていきたいという思いが一層強くなりました」
2ヵ月目で救急医療の厳しい現実を目にできたのも、1年目にもかかわらず短期間で6例も手術できたのも、茨城西南医療センター病院だからこそ。「濃い時間を過ごさせてもらっています」と、川瀬は笑う。
将来の夢は、かつて描いていたとおりスポーツドクターだ。
「日本ではまだこれからの領域です。アスリートのために、スポーツと医学の連携を牽引していきたいですね」
道は遠いが、長距離ランナーの川瀬にとってコツコツと足を運ぶことはお手の物。チャレンジは始まったばかりだ。