
問い合わせ
呼吸器内科 科長
岐阜大学卒業 / 台北生まれ
「研修医はみんな優秀。主体性があって、自主的に研修会を開いたりしているようです。本当にしっかりしていますよ」
兄貴分のような優しいまなざしを研修医たちに向けながら、林は語る。若い世代の成長が、心から嬉しそうだ。
「当院は、科と科の垣根がものすごく低いんです。人間関係のちょっとした行き違いがあっても、師長がすぐに察して間に入り、取りなしてくれる。そんな気遣いが科の雰囲気をよくし、病院全体の空気をよくしてくれています」
だから、初期研修医に対して他の科の医師が「ちょっと手術を見学に来ないか」と気軽に声をかけるし、初期研修医を預かる科の医師は「どうぞどうぞ、遠慮せずに行っておいで」と快く背中を押す。そんなやりとりが当たり前のように行われている環境が、人を育ててくれるのだ。
「だから、成長するかどうかは、本人次第。自然体で、この空気の中に飛び込んで欲しいですね」
では、林自身は、初期研修医に対してどのような思いで接しているのだろうか。
「極力、私の考えを押しつけないようにしています。正解は決して一つじゃないし、医師の数だけ答えがありますから、初期研修医には自分で考えさせ、自分の思ったように治療に当たらせています。それが成長する力につながるんじゃないでしょうか」
もちろん成長のスピードは人によって違う。3年間で一人前になる人もいれば、6年かけて育つ人もいる。
「そんなのは、その人次第。マイペースでいいんです。たとえ亀の歩みだって、大丈夫」まさに、急がず、休まず。
兄貴分らしく、そんな言葉を林は贈ってくれた。