消化器外科
- 医師名: 大原佑介
- 役職: 消化器外科科長(消化器外科、一般外科、大腸外科)
- 専門領域:日本外科学会外科専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、消化器がん外科治療認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医
病気を治すこと・安全であること・機能を残すこと~消化器外科の目指す三本柱~
消化器外科は、食道から胃、小腸、大腸、肛門に至るまでの消化管の疾患、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓の腹部臓器の疾患、さらに鼠径ヘルニアや腹壁瘢痕ヘルニアなどの疾患も治療しております。外科領域で最も守備範囲が広く、悪性腫瘍(がん)をはじめとして幅広い知識と技術が求められます。全国的に多くの手術が腹腔鏡下(小さい傷で行う手術)で行われている中で、当院では私を含めて2名の内視鏡外科学会技術認定医(腹腔鏡の指導医資格)が在籍しており手術に当たっております。患者さんごとに病状が異なるため、腹腔鏡下手術が安全に行いうるかどうかをカンファレンスで討議し手術を計画しております。
私は消化器の中でも大腸がんに対する手術を専門としております。前任の筑波大学附属病院においては、腹腔鏡下手術もさることながら、肛門に近い大腸がんに対する肛門温存手術の経験を積んでまいりました。肛門温存手術はただ肛門を残せば良いのではなく、手術後に肛門機能がどれくらい残るかを予測して患者さんと十分に相談するようにしております。人工肛門(ストーマ)が必要となる患者さんについては手術前後にケアが必要です。当院にはストーマケアの専門資格を持った看護師が在籍しており、患者さんの社会復帰を強力にサポートしております。
当院にいらっしゃる患者さんをみますと、非常に進行した状態でがんが発見されていることがとても多いです。中にはがんに伴う症状が何か月も続いているのにもかかわらず病院を受診されずにいて、状態が相当悪くなったところで緊急に受診する、という患者さんもいらっしゃいます。消化器がんの多くは早期に発見されれば治すことが可能ですので、「もう少し早くに来てもらえれば」と残念に思うこともあります。私たちが病気を適切に診断すること、地域の皆様に健康や病気に対して正しく理解してもらうことが大切です。
私の考える消化器外科の目指すところは、「病気を治すこと・安全であること・機能を残すこと」です。患者さんが安心して手術を受けられるようにチーム一丸となって診療しております。ご自身の症状で心配なことがありましたら、ぜひ消化器外科にご相談ください。